バンブー教室:バンブーだより8月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4

3,第20回定期講演会

自然学園では、9月7日(日)に春日部文化会館の1階ひだまりホールにて定期講演会を行います。自然学園では、発達のつまずきのある子どもたちの理解を保護者の方々に深めてもらう機会として、発達障害がある子どもたちの保護者の方々を対象にした発達障害セミナーを定期的に開催しています。

今回の定期講演会のテーマは『発達障害の子どもと生きる』~発達障害の特性を生かして働くための家庭でのキャリア教育~です。このテーマは松為信雄先生の著書のタイトルを講演会のテーマにしました。この講演会は、私が大学部の就労支援を学ぶために手にした松井先生の著書に強く感銘を受けたことがきっかけです。今まで自然学園で取り組んできた就労支援や発達障害がある児童生徒、学生の進路指導をより生徒・学生に寄り添い特性を生かしたマッチンングを実践するための大きなヒントが書かれていました。

松為先生は、現代のキャリアの考え方では職場や家庭、学校などが連携して支えることが重要であるとお話しされています。松為先生はご自身の著書で働くことに結び付く社会人基礎力は家庭内、家庭外で何らかの社会的な役割を担うなど、その一翼をになう社会参加によって身につき、それは社会人能力として行動力(Action)、自立的に思考する力(Thinking)であり、チームで共同して働く(Teamwork)力の3つの能力であるとも言っています。

9時から5時までの会社に拘束される勤務時間、すなわちこの時間帯に「働くこと」を実践できるには、その後の私生活の時間帯である残りの夕方5時から翌朝の9時まで時間をどう過ごすかが重要であると仰っています。この時間帯は家族や様々な支援者の支援を受けながら社会人能力を育む時間帯です。

そのためには家族の役割が大切であり、社会人基礎力である職業準備性の階層構造として、その基盤となる健康管理と日常生活管理は日常の家庭生活で育まれるものです。家族の協力なしでは成り立たないものです。そして、この階層の土台がキャリア教育の基盤になります。その階層の上に苦手な人への挨拶、注意され人への謝罪、および感情コントロールなど能力を必要とされる対人技能が繋がり、基本的な労働習慣に集結するのです。

この基本的な労働習慣は、職場における適応能力であり、職場でのあいさつや身だしなみや一定の時間仕事に耐えられる体力や職務の遵守、報告・連絡・相談いわゆる「報・連・相」などの能力が必要とされ、職場の適応力は仕事における業務の遂行力より働くためには必要なことであり、このような階層の積み上げが基盤としてなければ企業で働くことは無理だと定義されているのです。

そして、この階層の積み上げには家族や様々な支援者の献身的な支援が必要とされているのです。だからこそ松為先生は職場での適応力も夕方の5時から翌朝の9時までの生活が重要だと仰っているのだと思います。そのための具体的な家族の関わり、および家族が育む家庭でのキャリア教育を今回のテーマとしてお願いしました。

障害者雇用促進法における法定雇用率が令和8年7月までにさらに現行の2.5%から2.7%に引き上げることが発表されました。企業が求める雇用の中核は精神障害者手帳を持つ自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとした発達障害がある人たちです。

法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員40人以上から37.5人以上に変わります。平成17年に発達障害者支援法が施行され、障害者雇用での精神保健福祉手帳の取得者の企業での雇用率は上昇し、2018年4月に企業への雇用の義務化が法的にも実施されたことで2023年のハローワークによる求人の障害者雇用の障害手帳ごとの雇用割合は精神障害者が54%になっています。

今後、企業は一般就労での雇用として、発達障害者に対してどのような役割を期待しているのでしょうか。この変化に対して社会や大人は彼らに、どのように寄り添い支援をしていくことが大切なのか。そのヒントが今回の講演会の話の中で整理できるのではないでしょうか。