7、おわりに
今年の『思いやり収穫祭』は1日目が模擬店と展示会で、2日目が音楽祭になります。特別企画『卒業生座談会「僕たちの未来」』を1日目の10時から実施し、特別講演会『不登校からの脱却』を2日目の14時から予定しています。
今年の『思いやり収穫祭』のテーマは「継続」にしました。自然学園ではスモールステップで自分の目標に到達するための一人ひとりに無理のない目標に向けた行程表を考えています。社会に参加するために必要なこととして自己理解が不可欠です。自己理解は自分のつまずきや欠点を受け容れ、その解決を考えることです。発達の凸凹から生じる問題行動や苦手さはそんなに簡単には解決しません。今できることから少しずつできることを増やしていくのです。
スモールステップは、目標を目指して「できたこと」「できること」を少しずつ積み重ね、達成すべき最終目標に辿り着くために途中の中継地点を段階ごとに細かく分け、少しずつ、習得できるようにする考え方のことを言います。そして、その中継地点に辿り着くための彼らに合った歩き方や山の上り方、たどりやすい近道を教えることで、辿り着いたときに自信が付き、先の見通しが付いてきます。
自然学園に入学するまで中学校にあまり通えなかった生徒も少なくありません。自然学園ではスモールステップのプロセスを踏まえて徐々に登校に慣れ、学習への取り組み方を学び、クラスに馴染めるようなアプローチを実践しているのです。そのような考えから、令和8年度の募集要項から自然学園が掲げる3段階のスモールステップを具現化したコースを新しく設けました。「イブニングコース」は放課後の時間帯である16時から登校できるコースです。45分授業を3時間の時間割で無理なく単位認定の学習に取り組めるコースです。また、現在の通信制高校はICTを使った自宅での学習など、あらゆる生徒の状況に対応した学習支援が可能になっています。自然学園でも生徒のニーズに合わせた新しい取り組みとして、在宅型の個別学習コースを「イブニング個別リモートコース」として新たに導入しました。
自分の夢を実現するためには決してあきらめない強い気持ちと、勇気をもってスモールステップで一つ一つできることを増やし困難さを乗り越えていくしかありません。そのことを短いことばで言い換えると「継続」になります。そのため、「継続」を今年の『おもいやり収穫祭』のテーマにしました。
学力考査の緊張感から解放され、クラス内でのトラブルが起きやすいのもこの時期です。天候からくるストレスや思春期のもやもやなど、ストレスを背負う可能性が高いブルーな時期をお子様方は過ごしています。体育祭などは、感覚統合の問題や認知のつまずきがあるお子様には、非常にストレスが強まる行事になります。このような時期に人間関係のトラブルなどが重なることによって不安が強くなり、情緒の混乱を生じ、不登校やパニックなどに結びついてくることは珍しいことではありません。
高等部のお子様方は、学力考査の結果が出て一喜一憂している人が多いでしょう。今回思うような得点をとれなかった人たちも後期試験につながるよう原因を把握して学習計画を見直しましょう。自信を無くすことで無気力や不安につながることがないように細心の注意が必要です。
保護者の方々はお子様方の様子の変化を見逃さないようにしてください。自然学園では問題行動や情緒の混乱の原因をアセスメントして、適切なカウンセリングや問題行動を解決するためのSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を高等部の授業のカリキュラムに取り入れています。もし、情緒の混乱や精神的に不安定な状況があれば、保護者の皆様方と連携しながら早期の解決を図りたいと思います。ご協力お願い申し上げます。
自然学園学園長 小林 浩