バンブー教室:バンブーだより10月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-6

6,第17回 思いやり収穫祭 特別企画特別講演会『不登校からの脱却』のお知らせ

今年の思いやり収穫祭の特別講演会は11月2日の午後2時から自然学園の校舎にて卒業生との対談を織り交ぜながら、現在の社会問題にもなっている不登校の増加に関する問題を考えていきたいと思っています。

不登校生が多くなっていることは度々お話しさせていただいていますが、その理由の大半が「不安・無気力」が挙げられています。「いじめ」「人間関係のトラブル」や「学力不振」「提出物が出せない」「教員との問題」等の明確な理由がない不登校の場合は統計の理由として「不安・無気力」になってしまうケースが多いようです。併記した理由の積み重ねが気持ちの変化に繋がり、行きたくないと自分の気持ちが判断した時はもう引き返せないような思いが強くなってしまうのではないかと考えています。

不登校を経験している生徒の半数近くは90日以上の長期化している不登校生であることも、二次的なつまずきに陥って悩んでいる発達障害がある生徒と重ねて考えてしまいます。よく不登校といじめとの関連性を取り沙汰されることがありますが、不登校のきっかけとされる要因は「いじめを除く友人関係の問題」「学業不振」が圧倒的です。もちろん学校や教員側のいじめを認知していたかの問題はあるとは思いますが、「いじめを除く友人関係の問題」の背景にあることは、その問題を解決するためのコミュニケーション力の欠如や相手の気持ちを読み取るスキルなど対人的な能力の希薄さに原因があるように思っています。そして自己肯定感が持てない気持ちが他者との距離感を大きくし、クラスに自分の居場所を感じられなくなってしまうからではないでしょうか。そのことからくる不安や他者に対する劣等感が情緒の混乱に結びつき不登校が長期化します。強い不安からくる情緒の混乱には発達障害の2次障害といわれる精神疾患である拒食・過食、不眠、強迫性障害なども含まれています。

生徒の皆さんは、どちらかと言うと人の気持ちを読み取ることが苦手な人たちです。クラスメートからは自分勝手でわがままだと誤解されている人もいるでしょう。人の気持ちを読めない能力には、生まれながらにもっている性格やつまずきとされる特性も起因していることは事実ですが、それだけではありません。自分自身に自信がなくてコンプレックスが強く、自己肯定感が少ない人たちは、その裏返しとして自己主張の強さや他者への攻撃性が、自分の気づかないところで強くなります。だから新しい環境で不安を抱えている人ほど、なんとか人に認められようと思って肩に力が入って頑張りすぎてしまうのです。そのような行動が他者から見ると、去勢を張っているように見えたり、強引でわがままそうな嫌な奴に映ったりしまいます。そのようなことがいじめや人間関係のトラブルにきっかけとなるのです。不安や緊張感の強さは問題行動を引き起こす引き金になりやすいのです。

自然学園に在籍しているお子様を考えると、入学前から椅子にちゃんと座れずに、絶えず横向きに足が机からはみ出しておしゃべりが止まらず、貧乏ゆすりが多く、継続して先生の話を聞くことや課題に集中して取り組むことが苦手なので結果的に授業妨害になってしまっているお子様が多いのではないかと思っています。このようなお子様はまわりからは「落ち着きがない子」「勉強ができない子」とレッテルを張られがちで、当然先生からも注意される対象になっているので徐々にクラスメートからも浮いたような存在になりクラスに居場所がなくなっているような疎外感を感じてしまうことがあると「不安・無気力」感から苛まれるようになり、自分でも無意識に学校に行くことが辛くなってしまうことが考えられます。

「落ち着きがないない子」と言われるような一般にADHDの傾向がみられるお子様は、このような特徴がみられ他のお子様に較べ、かなり活動的でもあるので、思ったことをそのまま口にして授業中に先生の説明を遮ってしまったり、クラスメートの発言を中断させてしまったりして授業の進行の妨げになっていることさえ自分では気づけないお子様が多いのです。また、気持ちが持続できずに学習課題に集中しなければいけない場面で別のことに気がとられてしまい授業とは無関係なことに取り組みだしてしまうような問題行動の多さも良く見受けられる光景です。

このような傾向のお子様にみられる共通した課題は抑制する力が弱いと言うことです。抑制とは不適切な行動を考え、発言をコントロールする能力です。これにはワーキングメモリの弱さも関係していると言われ、行動を抑制するための自分で注意を払わなくてはいけない課題を忘れてしまいすべき行動を見失ってしまいます。それによって注意されることそれによって注意されることは十分承知している問題行動を繰り返してしまうのです。またやるべき行動の優先順位をつけられないことも特性であるので、よらなくてもいい行動がどうしてもやるべき行動より優先してしまい、結果的に同じ失敗を繰り返すこともあるでしょう。

「お勉強ができない子」は、ワーキングメモリと言われる学習の基礎となる情報を処理するための能力である認知的スキルが問題になって学習でのつまずきを生じているケースが考えられるのです。

発達障害の子どもは視覚的な情報が得やすいタイプが多く、目で見て理解することが得意です。反対に目で見て見えないものを理解することが苦手で、話し言葉も理解することが苦手なタイプが多くいます。まわりの子が普通にできることができず、問題行動につながるケースも少なくありません。未学習でできないことも、ことの他多いものです。この場合彼らの特性を把握して彼らがわかるように伝え、正しい行動を教えてあげることが大切になります。

このようなことがきっかけで不登校になった卒業生がどのように不登校を乗り越えられたのかを卒業生に話を聞きながら、その理論を入学後の経験を踏まえながらお聞きいただく機会とこの講演を考えています。今回参加していただく演者は現在、一般就労において企業で活躍している自然学園の卒業生です。発達障害の診断があり、小学校、中学校時代に不登校を経験しています。不登校になってしまった経緯と発達障害の特性との関連性やいじめや人間関係のトラブル、学力不振など学校生活における困難さなどについての経験談をお聞きしながら現在に至る経緯、立ち直りのきっかけをお話しいただく予定です。すこしでも現在不登校や行き渋りを経験して将来的な不安や絶望感を感じ、将来を悲観している人たちや進路や進学に対する不安を感じている人たちに勇気や希望を送り届けるコンセプトです。一般就労や通信制高校に関する疑問や関心がある方も是非ご参加ください。

 

7,終わりに

10月になっても日中暑い日が続いています。移動性高気圧の影響で天候が良い日には日中、暑い日がまだ続いています。移動性高気圧のすぐ後ろに低気圧が控えているので秋は天気が変わりやすく、秋雨前線の影響でしとしと降る長雨が特色ですが大雨を降らすこともあります。このように気圧の変化も大きく、天気も安定していないので体調の変化が起きやすく高等部のお子様方には、精神的に不安定になって、いつもより多動傾向が強くなり、衝動性が強くトラブルやパニック的な行動を起こしやすくなります。不安の強さや精神的な不安定さや低気圧に関係していると言われています。

学力考査の緊張感から解放され、クラス内でのトラブルが起きやすいのもこの時期です。天候からくるストレスや思春期のもやもやなど、ストレスを背負う可能性が高いブルーな時期をお子様方は過ごしています。

運動会などは、感覚統合の問題や認知のつまずきがあるお子様には、非常にストレスが強まる行事になります。このような時期に人間関係のトラブルなどが重なることによって、不安が強くなり情緒の混乱を生じ、不登校やパニックなどに結びついてくることは珍しいことではありません。

中学校のお子様方は、学力考査の結果が出て一喜一憂している人が多いでしょう。今回思うような得点をとれなかった人たちも期末試験につながるよう原因を把握して学習計画を見直しましょう。自信を無くすことで無気力や不安につながることがないように細心の注意が必要です。

保護者の方々はお子様方の様子の変化を見逃さないようにしてください。自然学園では問題行動や情緒の混乱の原因をアセスメントして、適切なカウンセリングや問題行動を解決するためのSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)をバンブー教室の授業のカリキュラムに取り入れています。もし情緒の混乱や精神的に不安定な状況があれば保護者の皆様方と連携しながら早期の解決を図りたいと思います。ご協力お願い申し上げます。

自然学園学園長 小林 浩