高等部:高等部通信7月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4

4、自然学園高等部のキャリア教育

自然学園では、「自分には何が向いていて、何ができるのか。」「働くことの意義はなにか。」「働くとは具体的にはどういうことなのか」について企業見学会や就労体験を学習カリキュラムに組み入れながら、具体的に考えさせ、自分なりの答えが導き出せるような1年次から3年次を通した継続的なキャリア教育の推進を目指しています。

この見学会で働くことの意義が理解できたら、その後どのような目標をもって3年間過ごしていくかがキャリア学習のポイントになります。一つずつ習得しなければいけない課題をクリアするにつれて、自分の目標がはっきりするはずです。その積み重ねが、就労スキルを育み、企業に実習で認められれば就労の実現にまた一歩近付きます。そのために必要な授業をキャリア学習授業として年間の学習計画に組み入れています。各学年の時間割は、一人ひとりの将来的な自立を考えた実践的なカリキュラムを導入しています。夏休みの企業見学会はその取り組みの一つです。

2年生からの時間割では、「金銭管理」や「作業訓練」など、実際の企業で要求されるPCの活用も含めた作業スキルの修得や、実社会で必要とされる日常マナー、金銭管理の習得などを目指しています。社会に参加するうえで、敬語や正しい言葉遣いは必ず必要になることです。そして、特例子会社であっても業務依頼や指示に対する正確な返答や、ある程度のコミュニケーションスキルは必要不可欠な、勤務するうえでの条件として提示されてくるでしょう。それが身に付いていなければ、就労することは夢のまた夢です。

3年生ではこれらに加えて問題解決技能訓練を前提として、就労の際にイレギュラーな問題事項やアクシデントが生じた場合に、慌てずに、的確な伝達ルートに従って情報を責任ある立場の職員に正確かつ迅速に報告することができ、柔軟な発想力で問題から生じる被害を最小限度に収拾できる判断力や、未然に防ぐことができる対応力を養うSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を導入しました。まさしく働くうえで必要になる実践力、ビジネススキルのマスターにつながる授業です。アサーショントレーニングもその一つです。

このようなキャリア学習と並行するように企業の就労実習や、それに基づく事前指導などを計画的に取り入れ、企業に要求されるスキルが体験を通して理解でき、行動として実践することができ、企業や社会が受け入れてくれる人材の育成を自然学園はキャリア教育の目標としています。もちろん個々の特性やスキル、将来的な進路希望に配慮することは言うまでもありません。

見学会を予定している彼らには、就労前に指示の受け方や日常のあいさつ、報告・連絡・相談いわゆる『ほうれんそう』の重要性などを徹底的に教えて送り出すつもりです。本当の理解や、職場でそのことが実践できるまでには、現場での体験を通して体で覚えていくほかないのだと思います。そのために必要なグループワークやロールプレイなど、職場での体験で見つかった自己のつまずきから生じている課題を授業として取り入れ、職業体験実習に備えた職業準備を授業プログラムで実践することで職場に適応できる力を身に付けていくのです。