高等部:高等部通信7月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-5

5、新年度のカリキュラム

令和8年度の募集要項では、新しい時間割として国語・数学・英語・理科・社会を中心とした高等課程の主要教科と体育以外にトライアルゼミ講座としてeスポーツとゲームクリエイト、創作美術などの授業を用意しました。

目と手の協応や瞬時の動作が苦手な子どもたち、体力がない、眼球運動の問題からボール軌道がうまく目で追えない子どもたちでも、電子機器を利用する「eスポーツ」ならモニター画面を確認しながらの一定の操作一つに集中できます。そのため、情報の処理につまずきがある子どもたちでも認知発達の凸凹の特性がカバーされて、スポーツ競技にのめり込むことが可能です。人との関わりの大きなきっかけになり、ゲームをプレイしながらチームワークやコミュニケーションスキル、問題解決能力などの「ソーシャルスキル」が自然に身に付く結果になり、楽しみながらSST(ソーシャルスキルトレーニング)を実践している効果があります。

「ゲームクリエイト」講座は、無料で利用できるアプリで、実際にプログラミングをしてゲームなどを作ることができます。ゲームを作る面白さを知ることでプログラミング学習の意欲が加速します。この体験は、彼らの中にある柔軟な思考力を育むことに繋がってくるでしょう。プログラミング学習アプリや教材は、実際に想像したものを形にして動かすことができます。「ゲームを作りたい」「実際に動かしてみたい」という目的がある生徒は、興味深く夢中になって取り組みながらプログラミングを学ぶことができるでしょう。

そして「創作美術」の講座は油絵・水彩画、イラスト・マンガなど描くことや何か物を作っていると無中になれる生徒のための講座です。自由な発想で個性を重んじた作品作りを手伝っていきます。木材、発泡スチロール、段ボール、割りばし、ペットボトルなどあらゆる素材で創作活動ができる講座です。

このように、生徒の興味や趣味につながる対象を授業の課題として取り組むことで、楽しみながら、彼らの適性であるICTのスキルや芸術的な能力を向上させ、将来的な業務に役立つ創造性に繋がり、働くための可能性を広げていく講座として考えています。これらの取り組みはSST(ソーシャルスキルトレーニング)にも関係する社会性やコミュニケーションスキルのみならず、自己決定能力や問題解決能力の向上にも役立つ講座です。そのこは、企業が要求している協調し、協働で業務に取り組むグループワークのスキルにも関係してくる取り組みになるでしょう。

また、生活講座で取り組む「SST」、「ライフスキル」「コミュニケーションスキル・アサーションスキル」のトレーニングは広い意味での社会性を育む講座であり、企業で求められる人との関わりの基礎であるコミュニケーションと、WHO(世界保健機関)でのライフスキルの10個のスキルである①意思決定スキル、②問題解決スキル、③批判的思考スキル、④創造思考スキル、⑤コミュニケーションスキル、⑥対人スキル、⑦自己認知スキル、⑧共感スキル、⑨ストレスに関するコーピングスキル、⑩情動に関するコーピングスキルなど、自立するために育てていかなければいけないスキルを育む講座として重きを置いています。

またキャリア講座として「情報」「ビジネスマナー」「作業訓練(企業実習スキル)」があります。

「情報」は技能連携施設である技能教科として「情報」を3年間の学習の基本にしています。企業で業務上必要とされる「word」「Excel」「power point」の基本操作、および画像処理などを学んでいきます。

「作業訓練」は感覚統合の訓練を進めながら、実際に手先の器用さが必要とされる業務や粗大運動の能力が必要とされる清掃や会場設営などの作業を体験させ、その作業を習得することを目標としています。2つ目は一定の時間内に作業が終了し、正確性が高い業務を遂行するにはワーキングメモリの視空間領域の短期記憶と作業処理力の向上が不可欠です。そのため、体を動かしながら、暗記力を高めるゲームや運動訓練を実践するとともに、その能力が求められる作業課題を繰り返し実習します。3つ目に、2人一組でのペアワークを課題として、他者との共同作業ができるように協同するためのコミュニケーション力をゲームや作業課題を通して育んでいきます。そして、企業実習の現場で働く実践的なSSTの学びとして「ビジネスマナー」の講座があります。