3,自然学園思いやり収穫祭特別企画 卒業生座談会「僕たちの未来」
11月1日(土)は、卒業生とのシンポジウム『僕たちの未来』を、今年も「働いて知ったうれしさ~僕はこうして大人になった」として題して、思いやり収穫祭の開催中に並行して実施しました。毎年、卒業後に一般就労して大企業の特例子会社で働いている卒業生に参加していただき、座談会形式で話をお聞きする形式で開催させていただいています。小学校、中学校時代の自分のつまずきと向き合いながら、まわりの上司や同僚、そして、家族に支えられ自分がどう成長したのかを話してもらいました。そして、現在就労先での業務や職場での出来事、困ったこと、上司との関係、合理的配慮などの現実的な問題を率直に話してもらいました。通常級や特別支援学級に在籍している特別支援教育を必要としているお子様方が高校に進学し、「働くこと」をどうこれから学び、将来的な自立を目標にしてキャリアを重ねていけばよいのかを考える良い機会となったと感じています。参加していただいた方には、進路選択における適切なアプローチの答えの一つとして、高校選びのご参考にしていただければ幸いだと感じています。
その際に、小学校や中学校のいじめや先生、クラスの対応が心の傷として今でもトラウマになっているという話を、複数の卒業生から共通の悩みとしていただきました。しかし、自然学園高等部に入学して、学校に対する嫌悪感や不信感が払拭され、就職に向けて前向きに努力することができたこと、社会に出るために必要なスキルを学校生活を通して身に着けることができたことなどの話がありました。現在も会社や社会適応するために様々な苦労があることなど素晴らしい話をしてもらいました。
やはり、勤め出して間もない頃には、周りから嫌われないように気を使ってしまい、精神的に追い詰められてしまっていた時期もあったそうです。また、先輩との人間関係の難しさやキャリアアップする度に直面した新しい課題に悩み、それを克服するためにどのような過程を経てきたのかなどの苦労話も聞かせていただき、来ていただいたお客様の強い関心を集めていました。
それぞれの卒業生が、いまだに人間関係の不安を抱えながらも、自然学園の高等部で培った経験を自信に変えながら、一つひとつの困難さを自分なりの方法で乗り越え、希望を抱いて社会で奮闘している姿に、座談会の司会を務めていた私の胸も非常に熱くなりました。
幼い頃から自分自身のつまずきやそこから生じる誤解に悩み、周りの人たちからなかなか理解されない葛藤と日々戦いながら生きてきた逞しさに、私も勇気をもらいました。彼らにとって自然学園高等部は知らない世界に挑み続け、これから出会う見知らぬ人たちと関係をうまく築き、自分の新しい世界を広げていくために必要な安全基地のようなものだということを彼らの話を通じて感じることができ、非常に嬉しく思いました。