バンブー教室:バンブーだより12月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3(2)

(2)発達のつまずきがあるお子様のワーキングメモリに関する具体的な支援

もともと記憶とは、20分後に42%、1時間後は56%、9時間後は64%、6日後は64%の割合で忘却してしまいます。忘却を食い止める方法は、一定時間すぎたあとに繰り返し復習するしかないとされています。学習したその日の夜、1日後、3日後、1週間後と定期的に繰り返して復習することが不可欠です。その学習を負荷なく、楽しく学習するには、彼らのワーキングメモリのつまずきを把握し理解したうえで、彼らが学習しやすい環境や勉強の仕方を提示しなければなりません。彼らが負担にならないような課題や学習環境を提示してこそ、継続して勉強に取り組んでもらえるようになるのです。

そして、その結果、短期記憶が長期記憶に移行され、学習で身に付けた知識の幅が広がっていきます。できたことを褒めて認めてあげれば、自分に自信が持てるようになります。褒められることを嫌うお子様はいないと思います。今まで自分では一生懸命にやっているつもりでも、出来ないことや間違えることが多いことに対して怒られたり馬鹿にされたり蔑まされたり、健常のお子様が経験したことのない思いをずっと重ねているお子様方が、バンブー教室に在籍している子どもたちなのです。

一生懸命取り組んでも認められないのなら、やってもしょうがないと諦めるのは大人だって同じです。ましてや非常に強いストレスや劣等感を持ちながら、他の選択肢が与えられないのであるならば、そこから逃げたくなるのは十分理解できることだと思っています。

情緒の混乱や無気力で不登校になる生徒の原因に学力不振が上位に上がりますが、自分に自信が待てなくなれば学習意欲がなくなります。学力不振になる一番の原因は学習無気力であると私は思っています。

だからこそ自信をつけさせていくことが大切です。苦手だと思うことに自信をもたせて自己肯定感を回復させていくことが、学力が向上する大きな要因になると思います。そして、今すぐ学校のクラスメートと同じような問題を解けるようにするのではなく、そこに結びつく基礎的な内容からクリアしていくことが大切です。がんばればできる内容ならば努力する意欲が湧き、できなかったことができるようになれば、次の目標が見えてくるものです。できないまま不安が大きくなり、気持ちばかりが焦り、どこから勉強してよいのかわからない暗中模索の状況では、目標を定めることさえできません。