バンブー教室:バンブーだより8月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-6

発達障害がある人たちには、同時処理力や継次処理力を要求される複雑な業務でさえ、やりこなせること能力があることを企業から認められています。また、グループワークの際のリーダーとしてチームをまとめることや業務管理ができる資質を兼ね備えている人たちもいます。将来企業側から有望視されている人たちは自然学園の卒業生でも珍しくありません。

発達障害の人たちは、やるべき手順ややり方、こなさなければいけない分量などが明確になっていれば、不安が少なくなり人並み以上の集中力で正確に仕事が消化できる人たちが多いのです。人付き合いが苦手で、言葉の巧みさを持ち合わせてない人でも事務処理や入力作業などは、業務を限定し作業工程を一律にマニュアル化することで、先の見通しがつくようになり、次の作業が図れるようになる人が多いのです。

そして、会社に自分の業績がみとめられ、少しでも会社に貢献しているという気持ちが持てれば自己肯定感は高まり、まわり人たちとの関係性も良くなり、必然的にコミュニケーション力が高まります。その中でビジネスマナーやグループワーク、「報連相」が養われるようになると思います。バンブー教室のワークキャリアコース(ステップーワーククラス、マスターワーククラス)はそのための基礎力を育むクラスです。将来の企業実習や社会自立に必要なスキルを学ぶ講座なのです。

そのことを踏まえて自然学園では、企業に受け入れてもらえるための社会倫理やビジネスマナーを教えて、会社の理念やルールに沿った行動が実行でき、ほかの社員と歩調をあわせて協調できる社会的なスキルを獲得させることに力を入れています。そして、自分の欠点を把握させることからはじまり、認知の偏りの対策としてメモや確認作業を徹底させ、トラブルの報告、困ったときの相談がスムーズにできるようなグループワークを重視して職場に適応できるためのスキルを教えています。認知の苦手さを克服できる作業訓練や指示の受け方やビジネスマナー、グループワークなどが以上に相当する授業になります。

また人との関わりが苦手で、相手の立場に立って人の気持ちを考えられない特性を持ち合わせている方に関しては、コミュニケーションスキル、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)などの授業があり、まわりの人たちとうまくつきあうための実践スキルを養成する講座になります。

実際のワーク・キャリアクラスとして指示がうまく入らず、継次処理が苦手なお子様を対象にした『ワークステップクラス』、実際に企業実習の際に求められる必要最低限の作業スキルを養成していく『ワークマスタークラス』を新しく設定しました。個別学習コースやグループ学習である総合学習コースでも受講できるようになっています。

『ワークステップクラス』は、感覚統合などの問題で不器用性が強く、なかなか仕事が進まず、指示された業務内容が完遂できない、ワーキングメモリが弱く、実施する作業手順を頭に記憶しながら、作業をすすめることが苦手で次に何をしたらよいのかわからなくなってしまう人のためのコースです。一つ目は感覚統合の訓練を進めながら、実際に手先の器用さが必要とされる業務や粗大運動の能力が必要とされる清掃や会場設営などの作業を体験させ、その作業が習得できることを目標としています。二つ目は一定の時間内に作業が終了し、正確性が高い業務が遂行できるにはワーキングメモリの視空間領域の短期記憶と作業処理力の向上が不可欠です。体を動かしながら、暗記力を高めるゲームや運動訓練を実践するとともに、その能力が求められる作業課題を繰り返し実習します。3つ目は2人一組でのペアワークを課題として他者の共同作業ができる、協同するためのコミュニケーション力をゲームや作業課題を通して育ませていきます。このような訓練は小学校、中学校で実践される理科実験や家庭科の調理実習、総合学習など研究発表などの班行動で必要とされる作業スキルのみならず、同時処理、継次処理力、コミュニケーション力に直結します。委員会活動やロングホームルームの際のグループディスカッションにも役に立つ実践力に基礎となることでしょう。

『ワークマスタークラス』は『ワークステップクラス』のトレーニンング課題をさらにレベルアップした応用的な課題も取り入れながら、より実習や将来的な就労に必要な実践力を育む講座になります。発達障害がある人の特性である認知の偏りは言語領域での短期記憶が必要な口頭からの指示や処理を必要とされる指示書やマニュアル書類、メール等のSNSでの指示など業務を委託するうえでワーキングメモリの問題からくるつまずきは職場でのミスやトラブルに直結する彼らの特性です。自分自身でもどのように工夫すればこのようなつまずきからくるミスやトラブルが防げるのか、どのような配慮を企業側に求めたらよいのか一人ひとりに合わせた課題を実践し、繰り返しロールプレイすることで、特性を考慮したうえでできることを応用した、指示を受けるうえでのパターンを習得することに力を入れていきます。作業に関しても事務作業、軽作業のどちらも一定の水準で消化できる作業スキルを実践的な訓練していきます。そして、実際に企業が導入しているグループワークを課題としてしましながら、それに必要なソーシャルスキル、コミュニケーションスキルを育ませていきます。事務作業では必須になっている資料・名簿の作成、データ入力、スキャン業務などPC操作の基礎を実践での演習を通して身に着けていく講座です。

実践的な就労スキルを学べる新しいコースとして『ジョブトライアルコース』があります。企業の実習を目標として企業で働く設定での模擬体験がコースです。この経験からビジネスマナーや作業訓練等を含めた自分に必要な就業スキルの獲得を実践で身につけることができます。対象生徒としては特別支援学校や高等学校、大学在籍で職場実習を控えて不安を感じている人などですが、働くことに対して、イメージが湧きにくい人で不器用性が強く、作業に苦手さがある人など中学生の方も受講可能にしています。新コースの目的としては職場での1日の流れを体験することで、緊張が緩和し、先を見通せることで、要領の悪さからの脱却を図り、職場の実習を経験しても柔軟な対応ができ、段取りよく業務がこなせる基礎的な作業スキルを身につけることにあります。