中学部:中学部通信7月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-5

5、数学のつまずきについて

数学に関してのつまずきについてお話しすると、学習に取り組むうえで、数処理をはじめとして、数の概念・量的関係を理解する能力、いわゆる基数性や序数性に関する理解の弱さと考えることができます。このつまずきのポイントは、計算能力や文章題などを解くことの苦手さに結びついています。数が数直線上で左から右に進むことが理解できないのです。

同年代のお子様より理解が遅れていることから、数的な事実が覚えられないので指で数えるなどの何らかの方策を用いないと答えを導くことができないのです。指で数えることは効率が悪く、問題が複雑になったり、数が多くなったりするとワーキングメモリに負担がかかってくるため、ミスが多くなり答えられなくなります。最初につまずく計算は5以上の数の足し算の計算だったり、2桁以上のかけ算の計算だったりするのはそのためです。

このようなつまずきを補う支援として、次のような支援が考えられています。数処理など数と量と結びつけて数をイメージする力が弱い人には、おはじきやブロッグなど具体的なものを使って数えることでその結びつきが理解しやすくなります。また、数を数えるときに声に出して、

物と数の1対1の対応を意識させていくことも支援の1つです。長さや重さなどの数量を理解する感覚を補助するためにはイラストや写真、絵などで物のイメージを強化し、図や表を用いることで量の大きさ、長さ、重さなどを視覚化し数量をとらえる支援も有効です。

なぜなら、数学の認識には視覚情報で必要な視空間のワーキングメモリと数の概念を関係づけて処理する力が必要になるからです。中1で学習する正負の計算や、関数もこのようなつまずきが起因しているからなのです。

小学生や中学生のお子様は認知のつまずきが起因した、読む・書く・聞く・話す・計算推論のいずれかの苦手さに対応した学習方法で「できた」「解けた」「書けた」「覚えられた」の学習における達成感をなるべく増やし、クラスでの他者へのコンプレックスや疎外感を感じることが少なくなります。そのことで、学校のクラスが居場所となる精神的な安定と更なる学習意欲や就学意欲の向上を図っていくことが中学部としての理念になります。