2,高等学校の単位の取得について
高校へ入学して間もない時期に新しい環境になったことで、勉強面や生活面での変化に適応できないケースが出てきます。その流れで、不登校になったり、退学したりしてしまう現象のことを「高1クライシス」と呼びます。「学習面の不安で授業が分からない、提出物が出せない。」などの理由も「高1クラシス」や高校での不登校の主な理由の一つだと考えられています。
高等学校は3年間以上の在籍と74単位以上の単位の修得が高校卒業資格の条件になっています。全日制の高等課程であるならば教科ごとの3分の2以上の出席が学力考査を受験できる条件になります。このような現象も高校での不登校生や中退生が増加している要因になっています。高等学校における令和5年の不登校の生徒数は68,770人(前年681,948人)であり、前年度から8,195人の増加で過去最多になっています。増加率は前年度より若干低くなっています。(R418.8%からR513.5%)
高校における中途退学者は46,238人で(前年度43,401人)であり、平成25年以降通信制高校の生徒数増加に伴い減少傾向でしたが、令和2年を境に増加傾向を示しています。
高等学校は通信制高校の単位認定はレポートの課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必修になっていて、スクーリング以外は自宅での自学でも学業が修められる制度です。スクーリング(面接授業)の出席も全日制課程や定時制課程に比べるとウエートは高くありません。本来、自学自習で理解できなかった課題を面接授業で確認することが授業の目的だったためです。自学自習が難しい生徒は通信教育連携協力施設では現在の通信制高校の直営の学習センターをはじめ技能連携施設やサポート校(キャンパス)などでは、授業形式で自学自習を補っている現状があります。正しサポート校や通信性高校の学習センターの認可がない技能連携施設でない校舎は単位の認定に含まれるスクーリングは認められていないので通信制高校の本校舎や学習センターにスクーリングで受講しなければなりません。
通信制高校の場合は視聴覚での学習を選択すればスクーリングの10分の8まで免除されるので在宅や海外での通信教育で単位の認定が可能なのです。生活習慣が乱れてしまい登校ができない状況がある人や海外を舞台にしている高校生のアーティストやアスリート、登校に費やす時間を他の目的のための時間に費やしたい人などはこのような在宅型の通信生高校を利用している人たちが多いと思われます。
実際に通信制高校に在籍している生徒は前述した中学校で不登校を経験していた生徒の皆さんや特別支援教育を必要としている生徒の皆さんが多く在籍しています。特別支援教育を必要としている人たちの中には中学校時代に学力がついていけず通級学級を利用していた人や特別支援学級に転籍したADHD傾向やLD傾向がある人たちや境界知能の人たちも対象になります。実際の学力は小学校高学年と考えた方が現実的です。このような現状を踏まえて文科省が令和3年に新時代に対応した高等学校教育に関する制度改革を発表しました。そのなかで高等学校通信教育の質保証の向けた方策が提言され高等学校通信制教育の規定の一部の改訂等を行いました。その中には多様な生徒へのきめ細やかな対応が組み入れられていて、例えば学校に在籍しながら履修登録しているにも関わらず、添削課題の取り組みや面接指導への参加が困難な生徒に対しては、個々の実情に応じ、適切な支援を行うよう努めることが重要であるところ、例えば生徒や保護者等への面談や電話かけ等の対応が考えられることを明確化したこと。など記載から在籍生徒の実態・実情を受け容れたきめ細やかな対応が行う義務を明示したものと考えています。具体的には学び直しなども含めて生徒に応じた基準を設けて単位を認定する柔軟な対応が求められていくものと考えられます。
自然学園は通信制高校の技能連携施設の認定を受けています。ですから授業に出席することが単位の認定に結び付きます。高等部の学習はそれぞれの学習でのつまずきに配慮しながら現在の学習到達度に沿った学習課題を授業で進めていくことが基本になります。それぞれの困難さをできるだけ配慮したユニバーサルデザインを支援の中心においています。
入学した新入生の生徒の皆さんには皆さんが理解できる授業を心がけていきます。安心してください。