自然学園大学部で学んでほしいこと(2)-大学部通信より-

人間関係も自分に自信があれば、自尊心が高まり、心にゆとりが生まれてきます。心のゆとりは、他者を許し、他者の要求や他者の気持ちを、自分の主張より優先させてあげる気持ちのゆとり心の大きさにつながってきます。そのことができれば必ず人間関係が今よりうまくいくようになるでしょう。

そうなれば職場でも仲間ができ、自分を助けてくれたり、認めてくれたりする人たちが多くなり、充実した社会生活を送れるようになるでしょう。そのことは働くためのスキルと直結するのです。

自然学園大学部は、皆さんに自信を持たせるお手伝いをして、皆さんが社会に参加できる力を育む学校です。そのために学生の特性を判断するために綿密なアセスメントを自然学園の基本コンセプトにさせていただいています。そして大学部の「ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)」「自己理解教育」「ビジネスマナー」などの授業や学校行事の活動が大きな役割を果たしているのです。

「働くために必要なこと」は、基礎的な生活習慣の確立と精神面の安定、コミュニケーションを基礎とした、自己理解におけるセルフマネージメント力が求められます。また職場では業務遂行能力より、グループワークにおける他者と「協調」、「協働」する能力が求められます。具体的には社会に出たら求められる5つのルールとして『1,ことばづかいに気を付けよう 2,あいさつを忘れずにしよう 3,言い訳をしない 4,人の悪口を言わない 5,自分の気持ちを抑え、規制できる』ことの遂行が必要になってくるでしょう。

このようなことはアスペルガー症候群などASD(自閉症スペクトラム障害)やADHDなどの傾向がある発達障害がある人や、人格障害など2次的な障害などある人には、実行するのが非常に難しいことなのです。就職できること、社会に出て働くこと以上の能力を育むことが大切です。自然学園大学部には、高等学校や大学生活を通じて自分の居場所がそこにはなく、人間関係がうまく作れなかった、いい思い出がない人が多いでしょう。自分の居場所があるコミュニティの中でソーシャルスキルは育まれるものです。

自然学園大学部は就労支援センターや就労移行施設とは違って「学校」です。短大や4年制大学で学ぶ教育課程とは違いますが、ビジネスマナー、作業訓練のみならず、社会人に必要な国数英の教養科目など、幅広いカリキュラムによって総合的な人格形成を目指します。小学部、中学部、高等部など自然学園の生徒・学生が一体となって取り組むサマーキャンプ、体育祭や学園祭、クリスマス会、スキー教室など学校行事やクラブ活動などに参加することで、他では得がたい体験ができ、集団での生活に不可欠なルールやグループワークを実践で学んでいくことができるでしょう。